「XYステージ」カテゴリーの記事一覧
Z軸ステージを使用したバーリング高さ検査治具の改善
プレスメーカーの検査工程で使用する冶具の改善事例です。
課題:スペーサーによるゲージの高さ調整は、作業性が悪く困っていました。
ワークのバーリング高さを検査しています。ワークがゲージの下をスムーズに通るかどうかを検査しているので、ゲージの高さ設定は重要です。
製品の切替えで、ワークの板厚やバーリング高さが変わると、ゲージの高さ変更が必要です。
ゲージの高さは、挿入するスペーサーの厚さで調整しますが、ゲージの着脱時にボルト2本を緩めたり締めたりしなければならず、作業性が悪く改善が必要でした。
解決!Z軸ステージを使用することで、ゲージの高さ調整が楽になりました。
ゲージをZ軸ステージに装着しました。製品の切替えで、ワークの板厚やバーリング高さが変わっても、Z軸ステージのハンドルを回すだけで、ゲージの高さ調整ができます。
また、調整したゲージの高さが変わらないように、Z軸ステージのストッパーで高さを固定することもできます。
従来のゲージ着脱を伴う高さ変更より、ボルトの締結作業やスペーサーの管理が不要となったため、作業性が良くなりました。
Z軸ステージ(ZJK-40)の特徴
- ラック&ピニオン式のステージで、滑らかな摺動と高耐久性が特長です。
- ステージ面:24.8mm×42mm
- 移動量:±12mm
- 自重:0.17 kg
- 移動精度(真直度):20μm
- ハンドル1回転の移動量:18mm
- ステージ本体:アルミ合金製(スケルトンステージ除く、XYステージ 他 全ステージ共通)
- 表面処理:梨地黒アルマイト
応用のポイント:Z軸ステージは耐荷重に注意が必要です。
同一のステージであっても、水平状態で使用する時と垂直状態で使用する時とでは、耐荷重が異なります。
垂直状態で使用する場合は、水平状態で使用する時よりも耐荷重が低く設定されていますのでご注意ください。
ロングステージを用いた部品ねじ止め治具の改善
日用品生産メーカーの部品組立工程で使用する治具の改善事例です。
課題:マグネットスタンドでは、ねじ止め位置の微調整が困難でした。
ワークAとワークBを2本のねじで締結して組立てます。生産機種の切り替えで、組立て後の全長を変える必要がある場合に、ねじ止め位置の変更を行います。
ねじ止めの位置は、ワークA置台に対するマグネットスタンドの位置で設定します。
マグネットスタンドは、マグネットのON/OFF操作時に位置がずれることがあるため、ねじ止め位置の微調整がしづらく作業性がよくありませんでした。
解決!ロングステージ等を使用して、位置の微調整が容易になりました。
マグネットスタンドの使用をやめて、ロングステージと小型ステージを組合せた2軸ステージに変更しました。
ワークの長手方向と幅方向にそれぞれ移動可能なステージを設置したことで、ねじ止め位置の微調整が容易に出来るようになり作業性が向上しました。
各ステージのハンドルを回して位置が決まれば、ロックレバーにて位置を固定させます。
ステージでは、マグネットスタンドのON/OFF操作時のように設定した位置がずれる事はありません。
ロングステージ(XLSR-150)の特徴
- 軽量・スリム(全長 150mm)・長ストロークのステージです。
- ハンドル1回転の移動量:18mm
- ステージ面:25mm×42mm
- 移動量:±65mm
- 自重:0.17 kg
- ステージ本体:アルミ合金製(スケルトンステージ除く、XYステージ 他 全ステージ共通)
- 表面処理:梨地黒アルマイト
- 全長 100mm のロングステージ(XLSR-100)もあります。
応用のポイント:ご要望に応じて、既製ステージもカスタマイズいたします。
当初の構想では、2軸ステージを2組使用する予定でしたが、ひとつのステージを共用にすることでステージ数の削減(コスト低減)を実現しました。
ロングステージの標準仕様はステージ面1個ですが、今回はステージ面2個使いの特別仕様にしました。
お客様のご要望が実現可能であれば、既製ステージであってもカスタマイズ致します。どうぞ、お気軽にご相談ください。
フロントロックステージを使用した欠品検査治具の改善
玩具メーカーで梱包前に行っている員数確認のための検査治具の改善事例です。
課題:ワーク(製品)の切り替えに伴う光電センサーの高さ調整が面倒でした。
ワーク(製品)を梱包する前工程で光電センサーを使用して欠品が無いかを検査しています。ワークは6個を1組として、重ねた高さをチェックします。
ワークが変わり、重ねた高さが変わると光電センサーの高さ調整が必要になります。
光電センサーの高さ調整は、センサー置台の段差を使って調整します。
六角穴付ボルト2本を外して、光電センサーを適当な段差の高さに付け替えますが、六角穴付ボルトの付け外しやワークに対する光電センサーの向き合わせも必要で、とても作業性が悪くて面倒でした。
解決!フロントロックステージでセンサーの高さ調整が簡単になりました。
フロントロックステージに光電センサーを装着しました。
ワークが変わって、光電センサーの高さ調整が必要になっても、フロントロックステージのハンドルを回すだけで簡単に光電センサーの高さ調整ができるようになりました。
フロントロックステージのロック方法は、従来ステージのストッパー式とは異なり、ハンドルの根元にあるクランプリングを回すことでロックさせます。
フロントロックステージは、ハンドルとクランプリングが同軸上にあるため、コンパクトですっきりとしたフォルムのステージです。
また今回は、ワークと光電センサーの距離も調整できるようにフロントロックステージを組み合わせて使用しています。
フロントロックステージ(FR-X/FR-Z) の特徴
- ミニチュアサイズでありながらガタが一切なく、極めて滑らかでスムーズな摺動を実現しました。
- ハンドルの根元部分で固定ができるストッパー機能を標準装備し、操作性も抜群です。
- ステージ面:25mm×25mm
- 移動量:±8mm
- ハンドル一回転の移動量:0.5mm
- ステージ本体:アルミ合金製(スケルトンステージ除く、XYステージ 他 全ステージ共通)
- 表面処理:梨地黒アルマイト
応用のポイント : 厚さ10mmを実現しました。とても薄いステージです。
フロントロックステージの厚さは10mmです。弊社薄型ステージの約半分の薄さです。
小型の装置はもとより、大型の装置の空いたスペースや隙間を利用して設置できます。
薄くて小さなステージですが、ワークの移動量はフルストロークで16mmもあります。
「とにかく小さなステージ」をお探しであれば、是非一度お試し下さい。
弊社では、デモ機の貸し出しも行っております。