回転ステージを使用した3点高さ調整治具の改善
玩具メーカーの組立工程で使用している部品の3点高さ調整治具の改善事例です。
課題:プレート上面3点の高さ調整の作業性がよくありません。

2枚の円形プレートと3本のばねで構成された部品を組み立てています。プレートの上面の3点(大体120°間隔)をセンサーで測定してドライバーで所定の高さになるよう調整します。
測定点を変更する時に組立品を手に取って回すため作業性がよくありません。
解決!組立台を回転ステージに取付けることで作業性がよくなりました。

組立時に使用する組立台を回転ステージに取り付けました。測定点の変更は、回転ステージのつまみを手で回して行います。
従来のように手に取って回すよりも早くスムーズに回すことができ作業性がよくなりました。回転ステージには目盛りも付いているので、以前より正確に120°間隔で測定点を決められます。
また、プレートやばねを必要以上に手で触れなくて済むため汚れ防止にもなります。
回転ステージ(KTS-60)の特徴
- 手動でしっとり滑らかに回転します。逆さまに取り付けても使用可能です。
- ステージ面:φ60mm(φ40mmのKTS-40もあります)
- 移動量:360°
- 偏芯量:0.05mm
- 耐荷重:68.6N (7kgf)
- 目盛最小読取り:1°
- 自重:0.2kg
- 付属品:六角穴付きボルト4本
- 本体材質:アルミ合金製
- 表面処理:梨地黒アルマイト
応用のポイント:回転ステージKTS-60とXYステージを一体化したステージもあります。

薄型XY回転ステージXYR-60を使用することにより、回転ステージKTS-60をX方向・Y方向にそれぞれ42mm移動させることができます。
測定点を現状より内側や外側に容易に変更できます。また、通常のXYステージと組み合わせよりも薄くてコンパクトです。
KTS-60及びXYR-60 どちらもデモ機の貸し出しを行っておりますので、お気軽にお試しください。
ロングステージを使用したシャフト組込み治具の改善
電気メーカーの製造工程で使用しているシャフト組込み治具の改善事例です。
課題:センサーの位置変更で位置調整板をスライドさせるのが面倒でした。

部品本体にシャフトを組込み、センサーでシャフト先端の位置を計測し、所定の位置でねじ止めします。
部品Aと部品Bでは、シャフトを挿入する穴位置が異なるため、センサーの位置変更が必要です。
この位置変更は、位置調整板Xをスライドさせて行いますが、ボルト2本を緩めたり締めたりしなければならないので面倒な作業でした。
解決!ロングステージの使用でセンサーの位置決めが容易になりました。

位置調整板Xに変えてロングステージを使用しました。ステージのハンドル操作でセンサー位置を変更して、ストッパーで位置を固定させます。
位置調整板Xを固定するボルトを緩めたり締めたりする必要がなくなりセンサー位置変更が容易になりました。
また、ボルトを締める時にセンサー位置がずれることもありましたが、それも無くなりました。
ロングステージ(XLSR-100)の特徴
- 全長100mm・軽量・スリム・長ストロークのステージです。全長150mmのXLSR-150もあります。
- ステージ面:25mm × 42mm
- 移動量:±40mm
- 耐荷重:29.4N (3kgf)
- 目盛最小読取り:0.1mm
- 自重:0.14kg
- 本体材質:アルミ合金製
- 表面処理:梨地黒アルマイト
応用のポイント:位置調整板Xと位置調整板Yどちらもステージに変更しました。
センサーの穴位置変更には、位置調整板Xに変えてロングステージを使用しました。
さらに、センサーとシャフト間の位置調整は位置調整板Yで行いますので、これを多機能送りねじ式ステージに変更しました。
ロングステージと多機能送りねじ式ステージを組み合せることにより、ハンドルの向きが同じになり操作性がより向上しました。
スライド操作式アリ溝ステージを使用した隙間の幅検査治具の改善
樹脂成型メーカーの検査工程で使用する隙間の幅検査治具の改善事例です。
課題:隙間ゲージがスムーズに動かないので作業性が良くありません。

ワーク円柱部にある隙間の幅を検査しています。隙間ゲージを装着したゲージホルダーをスライドさせて、隙間ゲージがワークの隙間の下端まで通るか検査します。
ゲージホルダーを締結するボルト2本を緩めて、長孔に沿わせて動かすためスムーズに動かなかったり、真下に動かなかったりするため作業性がよくありません。
解決!スライド操作式アリ溝ステージを使うことで作業性が向上しました。

隙間ゲージを装着したゲージホルダーをスライド操作式アリ溝ステージに取り付けました。操作つまみを手で持って上げ下げして検査します。
従来治具よりスムーズで真下にスライドさせられるため作業性が向上しました。
また、従来には無かったステージ面の下げ過ぎを防止するために、ステージ面の下端位置にストッパーを配置しました。
スライド操作式アリ溝ステージ(ZMA30-50)の特徴
- ステージ面を摺動させるためのラック&ピニオン機構や送りネジ機構がありません。操作つまみを手で摺動させます。
厚さ20mmの薄型仕様で従来比30~40%減の軽量化を図り、簡単なスライド操作で素早く摺動します。 - ステージ面:30mm × 50mm
- 移動量:±17mm
- 耐荷重:14.7N (1.5kgf)
- 自重:0.15kg
- 本体材質:アルミ合金製
- 表面処理:梨地黒アルマイト
応用のポイント:Z軸ブラケットは表・裏両面でステージ本体の取り付けが可能です。
スライド操作式アリ溝ステージのZ軸ブラケットは一部のタイプを除き、ステージ本体を表面・裏面の両面に取り付けることができます。
本件では、ステージ面下端ストッパーに干渉しない面にステージ本体を取り付けました。
