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回転ステージとX軸ステージを使用した先端形状検査治具

2013年05月13日

金属加工メーカーでの切削品の外観検査治具を、X軸ステージと回転ステージを組み合わせることで改善した事例です。

課題: ワークを都度、手で抜き差しし反転、穴の両側を検査。片側の検査漏れや抜き差しによるワークの変形が問題です。

切削品の先端の穴形状をマイクロスコープで検査

シャフトの先端にある穴形状の検査をしています。検査はマイクロスコープの画像を観察する方法で行います。マイクロスコープの位置は、マイクロスコープの下にあるX軸ステージで合わせています。

ひとつのワークについて、穴の入口と出口の2ヶ所を検査するため、その都度ワークを外して180°反転させる必要があります。このワークの抜き差しの作業ミス(作業抜け)が問題になっています。
長時間作業していると、作業者が「これからワークのどちら側を検査するのか? また、どちら側を検査し終えたのか?」が分からなくなってしまい、穴の片側の検査が漏れてしまうことがあるのです。

また、作業者が手で抜き差しする作業は、面倒で時間もかかります。その上、「その抜き差しの作業によってワークが変形してしまう」という品質面の問題もあり、最終的な部品品質の低下も課題となっていました。

解決! 回転ステージの採用で検査漏れが無くなり、作業性も改善。品質の問題も解消できました。

回転ステージとX軸ステージ上のマイクロスコープを180°ずつ回転させ、穴の両側を検査。

 

マイクロスコープを据付けたX軸ステージの下に台座を組み、回転ステージに取り付けました。

回転ステージ上のマイクロスコープが、ワークの外周を180°スムーズに回転、穴の両側を簡単に検査できます。ワークを抜き差しして向きを反転させる作業は不要になりました。
回転角度(180°)は、回転ステージのストッパーで予め固定されているので、作業者は終端までステージを回転させるだけでOK。回転角度を気にすることなく、確実な位置で検査ができます。

穴の片側の検査漏れの問題は、回転ステージ上のマイクロスコープの位置(手前か、奥か)によって検査している側面が一目瞭然になったことと、ワークの両側を続けざまに検査できるようになったことで、発生しなくなりました。

また、ワークを反転させるために抜き差しする必要がなくなった分、抜き差し作業でワークが変形してしまう品質の問題も減少しました。さらに、ワークを抜き差しする手間と時間より、マイクロスコープを回転ステージで180°反転させる時間の方が短く簡単なため、作業時間も短縮でき、生産効率も向上させることができました。

回転ステージ (KTS-60) の特徴

  • 手動でしっとりなめらかに360°回転するステージです。耐荷重は 68.6N(7kgf) です。
  • ステージ面 : φ60mm (ステージ面サイズ φ40mm の KTS-40 もあります。)
  • 偏芯量 : 0.05mm
  • 材質 : アルミ合金
  • 表面処理 : 梨地黒アルマイト
  • 自重 : 0.2 kg
  • 付属品 : M4 (8mm) 六角穴付きボルト 4本
応用のポイント:センサー・カメラ・ワーク等の向きを変えたい時に最適です。

回転ステージ固定側に目盛(最小読取り1°)が刻んであるので、おおまかな回転角度の確認が可能です。( ステージ面サイズφ40mmのKTS-40 は最小読取り2°)
また、使用用途に応じて標準装備のストッパーをご利用ください。回転ステージ回転部をお好みの位置で固定することができます。

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