「XYステージ」カテゴリーの記事一覧
ロングステージを使用したシャフト組込み治具の改善
電気メーカーの製造工程で使用しているシャフト組込み治具の改善事例です。
課題:センサーの位置変更で位置調整板をスライドさせるのが面倒でした。

部品本体にシャフトを組込み、センサーでシャフト先端の位置を計測し、所定の位置でねじ止めします。
部品Aと部品Bでは、シャフトを挿入する穴位置が異なるため、センサーの位置変更が必要です。
この位置変更は、位置調整板Xをスライドさせて行いますが、ボルト2本を緩めたり締めたりしなければならないので面倒な作業でした。
解決!ロングステージの使用でセンサーの位置決めが容易になりました。

位置調整板Xに変えてロングステージを使用しました。ステージのハンドル操作でセンサー位置を変更して、ストッパーで位置を固定させます。
位置調整板Xを固定するボルトを緩めたり締めたりする必要がなくなりセンサー位置変更が容易になりました。
また、ボルトを締める時にセンサー位置がずれることもありましたが、それも無くなりました。
ロングステージ(XLSR-100)の特徴
- 全長100mm・軽量・スリム・長ストロークのステージです。全長150mmのXLSR-150もあります。
- ステージ面:25mm × 42mm
- 移動量:±40mm
- 耐荷重:29.4N (3kgf)
- 目盛最小読取り:0.1mm
- 自重:0.14kg
- 本体材質:アルミ合金製
- 表面処理:梨地黒アルマイト
応用のポイント:位置調整板Xと位置調整板Yどちらもステージに変更しました。
センサーの穴位置変更には、位置調整板Xに変えてロングステージを使用しました。
さらに、センサーとシャフト間の位置調整は位置調整板Yで行いますので、これを多機能送りねじ式ステージに変更しました。
ロングステージと多機能送りねじ式ステージを組み合せることにより、ハンドルの向きが同じになり操作性がより向上しました。
スライド操作式アリ溝ステージを使用した隙間の幅検査治具の改善
樹脂成型メーカーの検査工程で使用する隙間の幅検査治具の改善事例です。
課題:隙間ゲージがスムーズに動かないので作業性が良くありません。

ワーク円柱部にある隙間の幅を検査しています。隙間ゲージを装着したゲージホルダーをスライドさせて、隙間ゲージがワークの隙間の下端まで通るか検査します。
ゲージホルダーを締結するボルト2本を緩めて、長孔に沿わせて動かすためスムーズに動かなかったり、真下に動かなかったりするため作業性がよくありません。
解決!スライド操作式アリ溝ステージを使うことで作業性が向上しました。

隙間ゲージを装着したゲージホルダーをスライド操作式アリ溝ステージに取り付けました。操作つまみを手で持って上げ下げして検査します。
従来治具よりスムーズで真下にスライドさせられるため作業性が向上しました。
また、従来には無かったステージ面の下げ過ぎを防止するために、ステージ面の下端位置にストッパーを配置しました。
スライド操作式アリ溝ステージ(ZMA30-50)の特徴
- ステージ面を摺動させるためのラック&ピニオン機構や送りネジ機構がありません。操作つまみを手で摺動させます。
厚さ20mmの薄型仕様で従来比30~40%減の軽量化を図り、簡単なスライド操作で素早く摺動します。 - ステージ面:30mm × 50mm
- 移動量:±17mm
- 耐荷重:14.7N (1.5kgf)
- 自重:0.15kg
- 本体材質:アルミ合金製
- 表面処理:梨地黒アルマイト
応用のポイント:Z軸ブラケットは表・裏両面でステージ本体の取り付けが可能です。
スライド操作式アリ溝ステージのZ軸ブラケットは一部のタイプを除き、ステージ本体を表面・裏面の両面に取り付けることができます。
本件では、ステージ面下端ストッパーに干渉しない面にステージ本体を取り付けました。
多機能送りねじステージを使用した段付きピン高さ検査治具の改善
金属加工メーカーで使用している高さ検査治具の改善事例です。
課題:ワーク変更時のLブラケットの高さ変更に時間がかかっています。

ワーク(段付きピン)の段付き部と全長の高さ検査をしています。判定基準となる高さにLブラケットを取付けます。ワークの種類が変わるとLブラケットの高さ変更が必要です。
Lブラケットの高さ変更は、固定している2本のボルトを緩めてLブラケットをスライドさせて所定の位置でボルトを締めます。この変更作業に時間がかかっています。
解決!Lブラケットをステージに装着すると高さ変更が短時間で可能です。

Lブラケットを多機能送りねじ式ステージに装着しました。Lブラケットの高さはステージのハンドルを回転させて変更します。高さが決まったら、ストッパーをかけて位置を固定します。
従来のようにボルトを締めたり緩めたりする必要がなく、短時間で高さ変更が可能です。さらに、高さの微調整が従来の方法より簡単にできます。
多機能送りねじステージ(ZTSC-120)の特徴
- ハンドル一回転の移動量が選べます。また、ストッパーの左右組み換えもでき、使用用途に応じたカスタマイズが可能です。(上図はストッパーの左右組み換え例です。)
- ステージ面:25mm × 40mm
- 耐荷重:14.7N (1.5kgf)
- 自重:0.2kg
- 移動量:±42mm
- ハンドル一回転移動量:2mm / 5mm / 10mm (送りねじの仕様による)
- 本体材質:アルミ合金製
- 表面処理:梨地黒アルマイト
応用のポイント:多機能送りねじ式ステージの豊富なバリエーション。
ハンドル一回転の移動量選択とストッパーの左右組み換えの他にも勝手違いタイプ(Z軸除く)・両側ハンドルタイプ(Z軸除く)・ハンドル延長タイプがあり、使用用途に適したタイプをご提供可能です。
どのタイプが適しているのかのご相談やデモ機の貸し出しも受け賜わっておりますので、お気軽にお問い合わせください。
