「XYステージ」カテゴリーの記事一覧
多機能送りねじステージを使用した段付きピン高さ検査治具の改善
金属加工メーカーで使用している高さ検査治具の改善事例です。
課題:ワーク変更時のLブラケットの高さ変更に時間がかかっています。
ワーク(段付きピン)の段付き部と全長の高さ検査をしています。判定基準となる高さにLブラケットを取付けます。ワークの種類が変わるとLブラケットの高さ変更が必要です。
Lブラケットの高さ変更は、固定している2本のボルトを緩めてLブラケットをスライドさせて所定の位置でボルトを締めます。この変更作業に時間がかかっています。
解決!Lブラケットをステージに装着すると高さ変更が短時間で可能です。
Lブラケットを多機能送りねじ式ステージに装着しました。Lブラケットの高さはステージのハンドルを回転させて変更します。高さが決まったら、ストッパーをかけて位置を固定します。
従来のようにボルトを締めたり緩めたりする必要がなく、短時間で高さ変更が可能です。さらに、高さの微調整が従来の方法より簡単にできます。
多機能送りねじステージ(ZTSC-120)の特徴
- ハンドル一回転の移動量が選べます。また、ストッパーの左右組み換えもでき、使用用途に応じたカスタマイズが可能です。(上図はストッパーの左右組み換え例です。)
- ステージ面:25mm × 40mm
- 耐荷重:14.7N (1.5kgf)
- 自重:0.2kg
- 移動量:±42mm
- ハンドル一回転移動量:2mm / 5mm / 10mm (送りねじの仕様による)
- 本体材質:アルミ合金製
- 表面処理:梨地黒アルマイト
応用のポイント:多機能送りねじ式ステージの豊富なバリエーション。
ハンドル一回転の移動量選択とストッパーの左右組み換えの他にも勝手違いタイプ(Z軸除く)・両側ハンドルタイプ(Z軸除く)・ハンドル延長タイプがあり、使用用途に適したタイプをご提供可能です。
どのタイプが適しているのかのご相談やデモ機の貸し出しも受け賜わっておりますので、お気軽にお問い合わせください。
セミオーダーステージを使用したUV照射接着治具の改善
光学メーカーのプリズム組立工程で使用するUV照射接着治具の改善事例です。
課題:UV照射器の位置調整をする時のボルト締結作業が面倒でした。
プリズムをホルダーにセットしてUV照射による接着をしています。
プリズムが変更になるとUV照射器の位置を変えなければならないので、位置調整板を動かして調整しますが、ボルトの締結が必要で面倒くさいです。
解決!位置調整板をステージに変えたら位置調整が容易になりました。
位置調整板に変えてステージを使用しました。ボルトの締結作業が不要になり位置調整が容易になりました。ボルトの締結作業は、ステージのハンドルとストッパーの操作に変わりました。
UV照射器の位置はハンドルを回して決め、次にストッパーをかけて位置を固定します。XとYの2方向調整するのでとても楽になりました。
セミオーダーステージ[SO-1/SO-4]の特徴
- 薄型・軽量で、ステージ面の移動機構が違うラック&ピニオン式[SO-1]と送りねじ式[SO-4]の2種類があります。
- ステージ面:30mm x 50mm [共通]
- 移動量:±17mm [SO-1] / ±16mm [SO-4]
- ハンドル1回転移動量:18mm [SO-1] / 4.2mm [SO-4]
- 耐荷重:24.5N(2.5kgf) [共通]
- 自重:0.1kg [共通]
- 本体材質:アルミ合金製
- 表面処理:梨地黒アルマイト
応用のポイント:2軸ステージのハンドルの向きを揃えることが可能。
ステージ面の移動機構には、ラック&ピニオン式と送りねじ式の2種類があります。
同じ種類同士を使用した2軸(X軸とY軸)ステージでは、ハンドルの向きが直交して作業性がよくありません。
ラック&ピニオン式と送りねじ式を組み合せて使用した2軸ステージは、ハンドルの向きを揃えることができるので作業性が向上します。
多機能送りねじステージを使用した傾斜角度検査治具の改善
機械部品メーカーにおける傾斜ポールの傾斜角度検査治具の改善事例です。
課題:傾斜ポールに対するセンサーの位置設定の作業性が良くありません。
ワークに圧入された傾斜ポールの傾斜角度を検査しています。傾斜ポールの上下部にセンサーホルダーを介してセンサーを配置して角度を測定します。
センサーの位置は位置調整板と高さ調整板をスライドさせて調整します。この時、各調整板のボルト2本(計4本)を緩めたり締めたりしなければならないため作業性が良くありません。
解決!位置と高さ調整板をステージに置き換えることで作業性が向上しました。
位置調整板と高さ調整板をそれぞれX軸ステージとZ軸ステージに置き換えました。センサーの位置と高さを変更するには調整板をスライドさせるのではなく、ステージのハンドルを回してストッパーをかけるだけで変更できます。
調整板のスライドで必要だったボルトの締付作業が不要になり作業性が良くなりました。また、スライド調整では困難だった微量の調整も簡単にできるようになりました。
多機能送りねじステージ[XTSC-90 / ZTSC-90]の特徴
- ハンドル1回転の移動量を使用用途に合わせて、それぞれ 2mm・5mm・10mm から選択できます。
- ステージ面:25mm × 40mm [共通]
- 耐荷重:29.4N [XTSC-90] / 14.7N [ZTSC-90]
- 移動量:±27mm [共通]
- 自重:0.14 kg[XTSC-90] / 0.18 kg[ZTSC-90]
- 本体材質:アルミ合金製
- 表面処理:梨地黒アルマイト
応用のポイント:薄くて小さいフロントロックステージ(FR-X)も採用。
センサーの位置と高さを調整するのに多機能送りねじステージを使用しましたが、センサーとワーク(傾斜ポール)の距離を調整するのに薄くて小さいフロントロックステージも採用しました。
従来は、センサーホルダーのセンサー固定ねじで距離を調整していましたが、この調整もステージに置き換えることで作業性がさらに向上しました。