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多機能送りねじ式ステージを活用した絞り高さ検査治具

2013年05月31日

プレスメーカーにおける絞り工程後の高さ検査治具の改善事例です。

課題: レーザーセンサの高さ設定に手間がかかり、困っています。

レーザーセンサの高さ設定。2本のボルトを交互に、少しずつ締めていく必要があった。

絞り加工(プレス)した製品の高さをレーザーセンサで検査しています。検査する製品が変わるたびに、レーザーセンサが装着された高さ調整治具の高さを変える設定が必要です。

この治具の高さ設定は、まず2本のボルトを緩め、レーザーセンサが固定されたプレートを上げ下げして高さを決定し、最後に2本のボルトを締めて完了します。

2本のボルトは、「交互に、少しずつ」締めなければなりません。ボルトを締めている最中に、設定した高さが変わってしまうことを防ぐためです。
交互に少しずつ締める、その加減を間違ったりすると、決めた高さがすぐにズレてしまい、再度、高さの設定からやり直しになります。非常に作業性が悪く、手間がかかっています。

解決! 送りねじ式ステージで、簡単に素早く、正確な高さ設定ができます。

多機能送りねじ式ステージを採用。レーザーセンサの高さ設定が簡単にできます。

多機能送りねじ式ステージを採用しました。レーザーセンサの高さが、簡単に素早く、正確に設定できるようになりました。

送りねじ式ステージのハンドルを回して高さを調整し、位置が決まったらストッパーでロックするだけです。高さを固定するボルトを緩めたり締めたりする作業は必要なくなりました。

検査する製品が変わっても、すぐにレーザーセンサの高さを調整して対応できるため、以前のボルトで固定するやり方の時と比べて、治具の切り替え作業にかかっていた生産工程の時間的ロスを、大幅に低減することができました。

また、高さ調整治具の高さ設定範囲が6mmだったのに対し、送りねじ式ステージでは34mmもあるため、数種類あった高さ調整治具が、送りねじ式ステージだけで賄(まかな)えるようになりました。

多機能送りねじ式ステージ (ZTSC-70) の特徴

  • ハンドル一回転の移動量を 2mm もしくは 5mm から用途に合わせて選択できます。
  • ステージ面 : 25mm × 40mm
  • 移動量 : ±17mm
  • 自重 : 0.12 kg
  • 他にも、全長 90mm / 120mm / 150mm(ハンドル部除く)のラインナップがあります。
  • ステージ本体:アルミ合金製(スケルトンステージ除く、XYステージ 他 全ステージ共通)
  • 表面処理 : 梨地黒アルマイト
応用のポイント:ハンドル一回転の移動量が長くすれば、回す回数を少なくできます。

長い距離を移動させる、また、その繰り返しが必要なとき、ハンドル一回転の移動量が小さいステージだと、何回転も何十回転もハンドルを回さなければなりません。高さなどの位置の調整は何度も繰り返す作業ですので、これだと少し大変ですよね?
逆に、ハンドル一回転で移動する距離を長くできれば、回す回数は少なくて済みます。それには、ハンドルの駆動部分が「多条ネジ」になっているタイプのステージがおススメです。

一般的なネジ(一条ネジ)は、1ピッチの間に1条の螺旋があります。他に、1ピッチの間に2条・3条と複数の螺旋があるネジもあり、これらを多条ネジと言います。多条ネジの場合、一回転で進む距離はネジピッチの条数倍になります。ちなみに、多条ネジは食品や調味料、日用雑貨等のネジキャップ付きのボトルなどに多く使われています。

回転ステージとX軸ステージを使用した先端形状検査治具

2013年05月13日

金属加工メーカーでの切削品の外観検査治具を、X軸ステージと回転ステージを組み合わせることで改善した事例です。

課題: ワークを都度、手で抜き差しし反転、穴の両側を検査。片側の検査漏れや抜き差しによるワークの変形が問題です。

切削品の先端の穴形状をマイクロスコープで検査

シャフトの先端にある穴形状の検査をしています。検査はマイクロスコープの画像を観察する方法で行います。マイクロスコープの位置は、マイクロスコープの下にあるX軸ステージで合わせています。

ひとつのワークについて、穴の入口と出口の2ヶ所を検査するため、その都度ワークを外して180°反転させる必要があります。このワークの抜き差しの作業ミス(作業抜け)が問題になっています。
長時間作業していると、作業者が「これからワークのどちら側を検査するのか? また、どちら側を検査し終えたのか?」が分からなくなってしまい、穴の片側の検査が漏れてしまうことがあるのです。

また、作業者が手で抜き差しする作業は、面倒で時間もかかります。その上、「その抜き差しの作業によってワークが変形してしまう」という品質面の問題もあり、最終的な部品品質の低下も課題となっていました。

解決! 回転ステージの採用で検査漏れが無くなり、作業性も改善。品質の問題も解消できました。

回転ステージとX軸ステージ上のマイクロスコープを180°ずつ回転させ、穴の両側を検査。

 

マイクロスコープを据付けたX軸ステージの下に台座を組み、回転ステージに取り付けました。

回転ステージ上のマイクロスコープが、ワークの外周を180°スムーズに回転、穴の両側を簡単に検査できます。ワークを抜き差しして向きを反転させる作業は不要になりました。
回転角度(180°)は、回転ステージのストッパーで予め固定されているので、作業者は終端までステージを回転させるだけでOK。回転角度を気にすることなく、確実な位置で検査ができます。

穴の片側の検査漏れの問題は、回転ステージ上のマイクロスコープの位置(手前か、奥か)によって検査している側面が一目瞭然になったことと、ワークの両側を続けざまに検査できるようになったことで、発生しなくなりました。

また、ワークを反転させるために抜き差しする必要がなくなった分、抜き差し作業でワークが変形してしまう品質の問題も減少しました。さらに、ワークを抜き差しする手間と時間より、マイクロスコープを回転ステージで180°反転させる時間の方が短く簡単なため、作業時間も短縮でき、生産効率も向上させることができました。

回転ステージ (KTS-60) の特徴

  • 手動でしっとりなめらかに360°回転するステージです。耐荷重は 68.6N(7kgf) です。
  • ステージ面 : φ60mm (ステージ面サイズ φ40mm の KTS-40 もあります。)
  • 偏芯量 : 0.05mm
  • 材質 : アルミ合金
  • 表面処理 : 梨地黒アルマイト
  • 自重 : 0.2 kg
  • 付属品 : M4 (8mm) 六角穴付きボルト 4本
応用のポイント:センサー・カメラ・ワーク等の向きを変えたい時に最適です。

回転ステージ固定側に目盛(最小読取り1°)が刻んであるので、おおまかな回転角度の確認が可能です。( ステージ面サイズφ40mmのKTS-40 は最小読取り2°)
また、使用用途に応じて標準装備のストッパーをご利用ください。回転ステージ回転部をお好みの位置で固定することができます。

検査顕微鏡によるゲート残り検査

2013年04月10日

日用雑貨部品の成型メーカーにおける検査工程での作業改善事例です。

課題: ゲート残りを目視検査していますが、検査ミスが多く発生します。

 

ゲート残り検査。ワークを手に持ち、目視での検査のため、微小なゲート残りの検査ミスや、作業員間の判定のバラつきが問題だった。

成型で発生するゲートを前工程でカットしていますが、ニッパーを使ってカットしているため、どうしてもカット残りが発生します。

そのため、次工程で決められた通りにカットできているか検査していますが、ワークを手に持って目視での検査なので、検査員相互の判定にバラツキがあります。

さらに、ある程度大きいゲート残りであれば目視でも分かりやすいのですが、小さなゲート残りとなると目視では発見しづらく、判定にも迷うことが多いため、品質の向上・安定化のための大きな障害になっています。

過去には検査ミスが多発し、誤ってNG品を出荷してしまい、お客様にご迷惑をおかけしたこともありました。その後も検査ミスが出るたびに十分な注意と、より慎重な検査を呼びかけてきましたが、根本的な解決はできずに来てしまいました。

それぞれの作業員は検査の重要性をよく理解し、慎重に検査してくれてはいると思うのですが、根本的なゲート残り対策ではないため、検査ミスの発生率をある一定以下に下げることができません。

解決! 検査顕微鏡を採用し、微小なゲート残りにも確実に対応!

検査顕微鏡を採用し、ワークと顕微鏡を同じ台座に固定して拡大して検査。検査制度が大幅に向上し、作業員間の判定のバラつきも解消!

大きいゲート残りはもちろん、発見・判定の難しかった小さなゲート残りにも確実に対応できるよう、拡大して検査できる検査顕微鏡を採用しました。

また、ワークを手で持つこともやめ、顕微鏡と同じ台座に置いて検査するようにしました。これにより、検査対象を固定した状態で、一定の向きで拡大して検査できるようになり、検査員相互の判定のバラツキや検査ミスが無くなりました。

また、カットを担当する作業員にも顕微鏡を覗いてもらう事で、ゲート残りの状況をより的確に作業部門にフィードバックできるようになりました。これにより、カット作業そのものの作業品質の向上、ゲート残りゼロの徹底も図ることができました。

検査顕微鏡 (M-90) の特徴

  • レンズ系は明るく実視野が広い完全正立像式の検査顕微鏡です。
  • 接眼レンズに対して対物レンズが直角に配置されているため、ワーク側面の観察に最適です。
  • 接眼レンズに視度補正機能がついています。視力に合わせた目盛線のピント合わせが可能です。
  • 顕微鏡本体に接眼レンズ(10倍)と対物レンズ(2倍)を付属した最もシンプルな顕微鏡ユニットです。
  • 顕微鏡の設置(固定)は、摺動ホルダーや専用スタンドを使用してお好みのシステムにすることができます。
応用のポイント:より拡大して見たい時はズームレンズを

ズームレンズを使用すれば、より大きく拡大しての観察が可能です。弊社製ズームレンズ(0.7倍~4.5倍)と対物レンズ(10倍)を組み合わせ使用することにより総合倍率7倍~45倍まで拡大できます。さらに、オプションの接眼レンズ(20倍)と組み合わせれば総合倍率は14倍~90倍まで拡大可能です。

【注】ズームレンズを使用し、接眼ミクロメーターで計測して得られた測定値は、検査の仕様に見合った十分な正確性が担保できないケースもございますので、あくまで目安としてお取扱い下さい。精度を必要とする計測には、固定倍率対物レンズを使った顕微鏡をご利用下さい。