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"一軸ステージ" タグの付いた記事一覧

多機能送りねじ式ステージを使用した除電装置の改善

2016年04月27日

樹脂成形メーカーの除電工程の装置改善事例です。

課題:イオナイザーの高さ調整の作業性がよくありません。

イオナイザーの高さは、2本のボルトにて調整し固定します。

イオナイザーを使用して、成形品の除電作業を行っています。
ワークの大きさ(高さ)が変わると必要に応じて、イオナイザーの高さ調整を行います。
イオナイザーの高さ調整は2本のボルトを緩めて高さを決めた後、ボルトを締めて固定します。工具と両手を使う作業のため作業性がよくありません。

解決!イオナイザーをステージに装着することで作業性が向上しました。

ハンドルを回して高さ調整し、ストッパーでします。

イオナイザーを装着したステージを使用することにより、ハンドルを回すだけでイオナイザーの高さ変更ができるようになりました。
高さが決まったら、ステージのストッパーでロックすれば高さの固定ができます。
ハンドルもストッパーも片手で操作でき、高さの微調整も容易にできます。また、工具も不要なので作業性が格段に向上しました。

多機能送りねじ式ステージ(XTSC-90)の特徴

  • ハンドル1回転の移動量を、2mm・5mm・10mmの中から用途に合わせて選択できます。
  • ステージ面:25mm×40mm
  • 移動量:±27mm
  • 自重:0.14kg
  • ステージ本体:アルミ合金製(スケルトンステージ除く、XYステージ 他 全ステージ共通)
  • 表面処理:梨地黒アルマイト
  • 他にも、全長 70mm/120mm/150mm(ハンドル部を除く)のラインナップがあります。
応用のポイント:ステージは使用状態(水平・垂直)により、耐荷重が変わりますので注意が必要です。

ステージには、耐荷重(ステージ面に搭載できる等分荷重)が定められています。
耐荷重は、モデルによって異なります。また、同じステージであっても水平状態(XY軸)で使用するか、垂直状態(Z軸)で使用するかでも変わってきます。
垂直状態(Z軸)で使用する場合の耐荷重は、水平状態(XY軸)での使用時の約半分が目安となりまが、ご使用前には正確な耐荷重を仕様書にてご確認ください。

セミオーダーステージを使用した深穴検査治具作製による品質改善

2015年05月11日

樹脂成型メーカーの検査工程で使用している検査治具の改善事例です。

課題 : カメラ部が手振れにより、不良の検出もれが発生していました。

ケーブルを手に持って挿入。手振れにより見づらいのが原因で、不良の検出もれが発生。

成形品の深穴部に成形不良や異物付着がないかを工業用内視鏡を使用して検査しています。工業用内視鏡のケーブルを手に取って、ゆっくりと深穴に挿入します。

ケーブルの先端にはカメラが装備されていて、穴の中の様子は工業用内視鏡のモニターに映し出されます。
その画像を見ながら検査するのですが、ケーブル(カメラ)の手振れによる見づらさで不良の検出もれが多発することがありました。

解決! ケーブルをステージに固定することで、手振れがなくなり検出もれが改善しました。

ハンドルを回してケーブルを挿入。ステージの安定した送りにより、手振れがなく見やすくなり、不良の検出もれも解消。

工業用内視鏡のケーブルをケーブルホルダーに通して、ステージに固定しました。ハンドルを回すことで、ケーブル先端のカメラ部が深穴に挿入されていきます。

ステージの安定した滑らかな摺動により、ケーブルは手で持って検査していた時よりもスムーズに送ることができ、手振れのない画像が確認できるようになりました。
その結果、これまで見落としてきた不良が検出できるようになりました。不良検出力の向上は、後工程の品質確保に大いに貢献しています。

セミオーダーステージ(SO-5)の特徴

  • ハンドル・予圧調整ネジ・目盛・ストッパー・Z軸ブラケットなどが自由に選択できるユーザー仕様のステージです。
  • 薄型・軽量で、ラック&ピニオン式と送りねじ式の両方式があり、使用するレイアウトにより選択していただけます。
  • この事例では、送りねじ式のステージ(40×80mm)を使用しています。目盛とストッパーは不要なのでありません。
  • ハンドル一回転の移動量:4.2mm
  • 耐荷重:34.3N(3.5kgf)
  • 移動量:±30mm
  • 目盛最小読取り:0.1mm
  • ステージ本体:アルミ合金製(スケルトンステージ除く、XYステージ 他 全ステージ共通)
  • 表面処理:梨地黒アルマイト
応用のポイント:ハンドルの向きは変えられます。

お客様から「ハンドルを逆側につけられるか?」と言ったお問い合わせがよくあります。ステージを機械装置に組み込む際に、ハンドルの向きが障害になるケースがあります。
セミオーダーステージでは、下図のようにハンドルを逆側に付けることができます。

ハンドルを逆側に取付けできます。

他にも、ハンドルの長さ延長や容易に回らないようにハンドルを固定させることが可能です。ハンドルについてのご要望がございましたら、どんなことでもご相談ください。
また、ハンドル以外のご要望についてもお気軽にご相談ください。

 

 

 

検査顕微鏡を使用したクラック検査用設備の改善

2014年02月10日

プラスチック成形メーカーの外観検査工程における検査設備の改善事例です。

課題: 拡大鏡によるクラック有無の検査。見落としが頻繁に発生します。

拡大鏡を使った検査。倍率不足で見落としが発生、見る角度によって見え方が異なり、検出力にバラつきが出ていた。

樹脂成型したワークのボスの根元に発生するクラック(成形品の表面に見える毛髪状の小さいひび)の有無を検査しています。

ワークを載せたターンテーブルをゆっくり1回転させながら、拡大鏡でワークのボスの周囲を360°検査します。検査に使用している拡大鏡の倍率では、小さなクラックは見つけづらく、見落としが頻繁に発生しています。そのため、1回転で済む検査を2回転・3回転させるなど慎重になり、検査時間も増えてしまいました。

また、拡大鏡を通してワークを見る角度によってクラックの見え方が異なるため、作業者による検出力に差が発生してしまい、品質のバラツキとなっていました。

倍率を上げるため顕微鏡の使用も検討しましたが、スペースの問題で配置することができませんでした。
ターンテーブルの周囲には、検査前後の部品とNG部品それぞれのトレイがあり、さらにターンテーブルを回す手の動作スペースも必要でした。残されたスペースは限られており、顕微鏡スタンド(ベース面:330mm×280mm)では大き過ぎ、顕微鏡は採用できずにいました。

解決! 検査顕微鏡への変更で見落としが無くなり、省スペース化も実現!

検査顕微鏡を採用。ネックだったスタンドのスペースの問題は、Xステージとあおり旋回ステージを組み合わせることで解消しました。

クラックが発生する場所(ワークのボスの根元)にピントを合わせておき、ターンテーブルを1回転させながらボスの根元を検査します。拡大鏡より大きく見えるので、これまで見落としていた小さなクラックも安定して検出可能になりました。
クラックを探すように2回転、3回転させて検査しなくても良くなったため、検査時間も短縮させることができ、さらに作業者間で生じていた検出力のバラツキも減少しました。検査精度も向上したため、ワークそのものの品質の改善にも寄与しました。

検査顕微鏡の設置にあたってネックになっていたスペースの問題は、顕微鏡スタンドに代えてあおり旋回ステージ(ベース面:70mm×70mm)とX軸ステージを組み合わせたユニットを使用することでクリアできました。他の検査工程では、XYステージとも組み合わせました。
顕微鏡を狭いスペースに納めることができただけでなく、クラックを精緻に確認できる位置と角度に、正確にセットできるようになりました。

また、この検査工程では、一つの作業台で4工程の検査作業を行っています。全行程をあおり旋回ステージとX軸ステージの組合せユニットに変更したことで、大幅な省スペース化を実現できました。工程間の配置もゆったりとレイアウトでき、作業環境も良くなりました。

検査顕微鏡「メジャースコープ [M-1(A)]」の特徴

  • レンズ系は明るく実視野が広い、完全正立像式の顕微鏡です。
  • アリ溝式ステージや摺動ホルダーとの多彩な組み合わせが可能です。
  • 接眼ミクロメータを交換するだけで、各種測定・検査・芯出し・位置決めなどさまざまな用途への対応が可能です。
  • 付属品(10倍接眼レンズ・2倍対物レンズ)
応用のポイント:顕微鏡による検査では、照明装置の選択も重要です。

顕微鏡用の照明装置として、LED照明・蛍光灯照明・ファイバー照明、等があります。ワークに光を照射することで視野が明るくかつ見やすくなり、目の疲労を軽減するだけでなく、作業精度も大幅にアップします。
また、モニター観察の際には照明装置が不可欠ですので、鮮明な映像を得るためには照射方法が大変重要な要素となります。それぞれの特長を活かした効果的なライティングを選択して下さい。