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"外観形状検査" タグの付いた記事一覧

USB接眼レンズカメラを使用した外形形状検査装置の改善

2015年03月31日

金属加工メーカーでの旋盤加工後の外形形状検査装置の改善事例です。

課題:顕微鏡検査では、ワークを加工機から外すため手間がかかります。

旋盤からワークを外しての検査。検査後、ワークを旋盤に取付ける際に芯出し作業が必要。

旋盤を使用して金属の加工を行っています。加工したワークは、旋盤からを外して専用の置台に装着し、顕微鏡で形状の検査をしています。

検査自体は、顕微鏡を覗いてチェックするだけなのですぐに済むのですが、検査後は、次の加工のため再度旋盤に取付けなければならず、そのたびにワークの芯出し作業が必要です。

検査に要する時間より、その後の芯出し作業に多くの時間がかかるため、効率がよくありません。

解決!USB接眼レンズカメラであれば、ワークを外す必要はありません。

ワークは、旋盤にチャックしたままで検査可能。検査後の芯出し作業は不要。

USB接眼レンズカメラを長焦点顕微鏡と組み合わせて、モニターで観察するように変更しました。

長焦点顕微鏡をアーム式スタンドに装着することにより、旋盤からワークを外さなくても形状の検査ができます。検査後は、ワークの再取付けと芯出しの必要が無いため、すぐに次の加工ができ作業効率が高まりました。

また、従来の顕微鏡に替えて、作動距離の長い長焦点顕微鏡を採用することで、USB接眼レンズカメラをワークから離れた位置に設置できます。
ワークの近くに、長焦点顕微鏡やUSB接眼レンズカメラ等の障害物がないため、切削中の削れ具合の確認が支障なくできます。その結果、加工品質も安定するようになりました。

USB接眼レンズカメラ (MV-2016) の特徴

  • メジャースコープ(弊社顕微鏡)や他社製顕微鏡及びルーペにも取付けができ、あらゆる光学系に対応できます。
  • 付属の簡易計測ソフトにより、距離・角度・Rなどの測定が可能です。
  • 安価で取り扱いも簡単です。
  • 撮像素子:1/4 インチカラー CMOS センサー
  • 解像度:VGA(2592×1944ピクセル)
  • ホワイトバランス・露出:自動
  • 焦点:固定
  • 画像・動画フォーマット:YUY2 , M-JPEG
  • 外形寸法:φ30.3mm×長さ95.2mm
  • 対応OS:Win XP、SP2、Win7、Vista、Linux2.6.26、Mac10.5以上
  • 電源:USB 5.0V DC
  • 重量:100g
応用のポイント:簡易計測機能により、簡単な測定ができます。

パソコンモニター上での画像観察やデータ保存だけでなく、付属の簡易計測ソフトをインストールすることにより、下記の測定ができます。
操作方法も簡単なので気軽にお使いいただけます。是非、お試しください。

【主な計測可能項目】
長さ・角度・直径と面積・長方形寸法と面積・三角形寸法と面積・楕円寸法

簡易計測

薄型XY回転ステージを使用した外観検査治具の改善

2014年09月30日

部品メーカーにおける出荷前の外観検査工程での検査治具の改善事例です。

課題 : ワークが変わるたびにターンテーブルの位置を変更、ボルトの締結が面倒!

ターンテーブルの位置決めと固定のため、ボルト8本を緩めたり締めたりしなければならないため作業が面倒。

ワークをターンテーブルの上に載せ、回転させて外周の外観を検査しています。
ワークが変わるたびに、ターンテーブルの位置変更が必要です。この時、ボルト8本を
緩めてテーブル置台の位置を修正し、最後にボルトを締めます。

ボルトを締める際に、テーブル置台がずれることもあり少しずつゆっくり締める必要
があります。そのため、テーブル置台の位置修正は面倒かつ時間がかかります。

解決! 薄型XYステージを採用、作業性アップと省スペース化を実現!

ハンドルを回して、ストッパーをかけるだけの簡単操作で位置決めと固定ができます。

ターンテーブルとテーブル置台の替わりにXY回転ステージを使用することにしました。
各軸にあるストッパーを緩めてハンドルを回し、ワークの位置が決まったらストッパーを
かければ作業完了です。

これまでのように、わずらわしいボルトの作業が無いので非常に簡単、短時間で位置
決めと固定が出来るようになりました。さまざまな形状のワークでも同様(簡単・短時間)に
位置決めと固定が出来ます。

また、改善前のターンテーブルの位置決め作業では、ボルトを締める際に決めた位置が
微妙にずれてしまうなど、作業に習熟している必要があったため限られたスタッフにしか
出来ませんでした。薄型XY回転ステージに変更後は、ハンドル操作だけで正確で微小な
位置調整が、誰にでも簡単に出来るようになりました。その結果、ワークの切り替えロス
時間も少なくなりました。

さらに、薄型XY回転ステージはテーブル置台と比べコンパクトな大きさなので、作業
スペースがスッキリし気持ちよく作業できます。

薄型XY回転ステージ(XYR-60)の特徴

  • 従来品の組合せより約半分の薄型(高さ45mm)で、外観が円盤形状のコンパクトな一体型複合機能ステージです。
  • ステージ面:φ60mm
  • 移動量:(XY方向) ±21mm (回転方向) 360°
  • ハンドル一回転の移動量:4.2mm
  • 耐荷重:34.3N (3.5kgf)
  • 自重:0.39 kg
  • ステージ本体:アルミ合金製(スケルトンステージ除く、XYステージ 他 全ステージ共通)
  • 表面処理:梨地黒アルマイト
約半分の薄さを実現!

薄型XY回転ステージ(XYR-60)は、従来の組合せステージの約半分の高さ(当社従来比)を
実現しました。あるお客様から、「低くてコンパクトなステージを!」とのリクエストを
いただき開発された製品です。

XYステージと回転ステージを中継ブロックを介して組み合わせる従来の方法では、高さが
93mmありました。これら2つのステージを一体化しつつ、部品の削減や薄型化を図ること
で、高さを45mmまで低減させることができました。

高さ比較

応用のポイント:最適な構成で治具を製作

この事例で使用している薄型XY回転ステージ以外の治具構成部材も、弊社ミラック光学の
製品群をご採用いただきました。

  1. 薄型XYステージを置くスタンド
  2. ワークの形状を捉えるテレセントリックレンズ
  3. レンズを装着してピントを合わせるための摺動ホルダー
  4. モニタリングのためのCCDカメラとモニター

豊富なラインナップの中から、お客様のご希望に沿った最適な製品をアレンジしてご提供
することができます。どうぞお気軽にご相談ください。

 

 

検査顕微鏡と接眼ミクロメーターによるピン先端角度検査の精度改善

2014年04月10日

金属切削メーカーにおける、ワークの旋盤加工後の検査工程での作業改善事例です。

課題: 顕微鏡と検査ゲージによる検査で、OK/NGの判定に迷ってしまいます。

ピンを検査ゲージにあてがって先端角度を判定。顕微鏡で拡大するも、OK/NGの判定に迷い、作業性も悪い。

旋盤で加工されたピンの先端角度を検査しています。

ワーク(ピン)を加工後に旋盤から取り外して置台に載せ、検査ゲージをあてがってピンの先端位置を顕微鏡で確認しています。
ピンの角度が大き過ぎると先端位置は検査ゲージの所定の位置まで届かず、反対にピンの角度が小さすぎるとオーバーしますので、ピン先が正しく所定の位置に収まるかどうかを基準に判定する方法です。

ピン先端付近は顕微鏡で拡大してチェックいていますが、OKかNGかの判定に迷ってしまうものも多く、そのため検査精度も不安定です。

また、この検査ゲージを使っての作業方法では、ワークや検査ゲージのハンドリングのために両手を使う必要があり、なおかつそれらを顕微鏡を覗かなければならないため、作業がしづらく効率が悪いことも大きな課題でした。

解決! ミクロメーター装着の顕微鏡を使用、検査精度・作業性を大幅に改善!

顕微鏡に特注の接眼ミクロメーターをセットして使用。確実な判定と検査精度の向上、作業性も大幅に改善!

検査ゲージを使用した検査方法そのものを取りやめ、接眼ミクロメーターを装着した顕微鏡で検査する方法に変更しました。

ワークであるピンの正確な先端角度を接眼ミクロメーターに基準線として刻み(特注品としてミラック光学にて制作、顕微鏡にセットして納品)、直接ピンの先端角度が基準線にマッチするかチェックすることで、より正確で迷いのない検査ができるようになりました。

また、顕微鏡をマグネットスタンドに固定し、マグネットスタンドごと旋盤にセッティグできるようにしました。これにより、ワークを旋盤から取り外す必要がなくなりました。

検査方法の変更でワーク置台や検査ゲージが不要になり、両手を使わずに検査できるようになるのと同時に、ワークの取外しという工程も省くことができたため、作業性も大幅に改善しました。

検査顕微鏡「メジャースコープ(M-45)」の特徴

  • レンズ系は明るく実視野が広い、完全正立像式の顕微鏡です。
  • 多彩なレンズ系と接眼ミクロメーターとのアレンジで、非接触の測定顕微鏡として使用できます。
  • 接眼ミクロメーターを交換するだけで、各種測定・検査・芯出し・位置決めなどさまざまな用途への対応が可能です。
  • お客様の仕様に合わせた特注ミクロメーターの製作も可能です。(特注ミクロメーター受注実績1000種類以上)
  • 付属品(10倍接眼レンズ・2倍対物レンズ)
応用のポイント:ミクロメータの最小1目盛の読みについて

接眼ミクロメータの目盛の読みは、実際に刻まれている最小1目盛を使用する対物レンズの倍率で割ると算出できます。例えば、接眼ミクロメーターのスケールが、10㎜100等分(最小1目盛0.1㎜)では、以下のようになります。

・対物レンズ 2倍使用時 0.1÷ 2=0.05mm(最小1目盛の読み)
・対物レンズ 5倍使用時 0.1÷ 5=0.02mm(最小1目盛の読み)
・対物レンズ10倍使用時 0.1÷10=0.01mm(最小1目盛の読み)

特注ミクロメーターの製作のご依頼で、「1目盛の読みをもっと細かくしたい」とのご要望をよくいただきますが、上記のように使用する対物レンズ(倍率)を交換することで対応できてしまうケースもあります。
その場合、ミクロメーターを特注で作製しなくても済んでしまうか、特注するにしても刻み込む目盛などの情報量を少なくできることもあります。詳しくはどうぞお気軽にご相談ください。

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