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ロングステージを使用したシャフト組込み治具の改善

2023年10月31日

電気メーカーの製造工程で使用しているシャフト組込み治具の改善事例です。

課題:センサーの位置変更で位置調整板をスライドさせるのが面倒でした。

位置調整板Xのボルトを緩めてスライドさせて穴位置を変更。面倒くさい。

部品本体にシャフトを組込み、センサーでシャフト先端の位置を計測し、所定の位置でねじ止めします。
部品Aと部品Bでは、シャフトを挿入する穴位置が異なるため、センサーの位置変更が必要です。
この位置変更は、位置調整板Xをスライドさせて行いますが、ボルト2本を緩めたり締めたりしなければならないので面倒な作業でした。

解決!ロングステージの使用でセンサーの位置決めが容易になりました。

ハンドルを回して穴位置変更。ストッパーを回して位置を固定。

位置調整板Xに変えてロングステージを使用しました。ステージのハンドル操作でセンサー位置を変更して、ストッパーで位置を固定させます。
位置調整板Xを固定するボルトを緩めたり締めたりする必要がなくなりセンサー位置変更が容易になりました。
また、ボルトを締める時にセンサー位置がずれることもありましたが、それも無くなりました。

ロングステージ(XLSR-100)の特徴

  • 全長100mm・軽量・スリム・長ストロークのステージです。全長150mmのXLSR-150もあります。
  • ステージ面:25mm × 42mm
  • 移動量:±40mm
  • 耐荷重:29.4N (3kgf)
  • 目盛最小読取り:0.1mm
  • 自重:0.14kg
  • 本体材質:アルミ合金製
  • 表面処理:梨地黒アルマイト
応用のポイント:位置調整板Xと位置調整板Yどちらもステージに変更しました。

センサーの穴位置変更には、位置調整板Xに変えてロングステージを使用しました。
さらに、センサーとシャフト間の位置調整は位置調整板Yで行いますので、これを多機能送りねじ式ステージに変更しました。
ロングステージと多機能送りねじ式ステージを組み合せることにより、ハンドルの向きが同じになり操作性がより向上しました。

スライド操作式アリ溝ステージを使用した隙間の幅検査治具の改善

2023年09月29日

樹脂成型メーカーの検査工程で使用する隙間の幅検査治具の改善事例です。

課題:隙間ゲージがスムーズに動かないので作業性が良くありません。

ボルト2本を緩めに締めて、ゲージホルダーを長孔に沿ってスライドさせる。

ワーク円柱部にある隙間の幅を検査しています。隙間ゲージを装着したゲージホルダーをスライドさせて、隙間ゲージがワークの隙間の下端まで通るか検査します。
ゲージホルダーを締結するボルト2本を緩めて、長孔に沿わせて動かすためスムーズに動かなかったり、真下に動かなかったりするため作業性がよくありません。

解決!スライド操作式アリ溝ステージを使うことで作業性が向上しました。

隙間ゲージの上げ下げは、操作つまみを手動でスライドさせる。

隙間ゲージを装着したゲージホルダーをスライド操作式アリ溝ステージに取り付けました。操作つまみを手で持って上げ下げして検査します。
従来治具よりスムーズで真下にスライドさせられるため作業性が向上しました。
また、従来には無かったステージ面の下げ過ぎを防止するために、ステージ面の下端位置にストッパーを配置しました。

スライド操作式アリ溝ステージ(ZMA30-50)の特徴

  • ステージ面を摺動させるためのラック&ピニオン機構や送りネジ機構がありません。操作つまみを手で摺動させます。
    厚さ20mmの薄型仕様で従来比30~40%減の軽量化を図り、簡単なスライド操作で素早く摺動します。
  • ステージ面:30mm × 50mm
  • 移動量:±17mm
  • 耐荷重:14.7N (1.5kgf)
  • 自重:0.15kg
  • 本体材質:アルミ合金製
  • 表面処理:梨地黒アルマイト
応用のポイント:Z軸ブラケットは表・裏両面でステージ本体の取り付けが可能です。

スライド操作式アリ溝ステージのZ軸ブラケットは一部のタイプを除き、ステージ本体を表面・裏面の両面に取り付けることができます。
本件では、ステージ面下端ストッパーに干渉しない面にステージ本体を取り付けました。

傾斜ステージを使用した穴入口バリ検査治具の改善

2023年08月31日

樹脂成形メーカーの検査工程で使用中のバリ検査治具の改善事例です。

課題:ワークを手で持っているため手振れにより検査しづらい状況でした。

ワークを手で持っているため手振れしてピントが安定せず検査しづらい。

ワークにある2個の穴の入口を1個ずつバリの検査をしています。ワークを手で持って顕微鏡を覗き検査します。
顕微鏡を覗きながら穴の入口にピントを合わせますが、手振れしてピントがズレたり、ワークの位置も不安定なため検査しづらく目も疲れます。

解決!傾斜ステージの使用で手振れが無くなり検査しやすくなりました。

ワークを傾斜ステージの上に置くため、ピントが安定して検査しやすい。傾斜角の設定もつまみとストッパーの操作で簡単にできる。

ワークにある穴は加工面対して傾いてあいているため、傾斜ステージを使用して傾きを補正しました。
また、検査する穴をスムーズに変えられるようワークガイドを傾斜ステージに装着しました。1個目の穴の検査後、ワークを手でスライドさせ2個目を検査します。
手で持っていた従来よりも安定した検査が可能になりました。

傾斜ステージ(AIC-60)の特徴

  • 簡易構造で低価格の傾斜するステージです。操作つまみと傾斜角度固定のストッパーを装備しています。
  • ステージ面:40mm × 60mm
  • 移動量:±20°
  • 耐荷重:29.4N (3kgf)
  • 自重:0.22kg
  • 本体材質:アルミ合金製
  • 表面処理:梨地黒アルマイト
応用のポイント:ワークを少しだけ動かすのにフロントロックステージを採用しました。

フロントロックステージ FR-X

1個目の穴の検査後、2個目を検査する時にワークをワークガイドに沿って手でスライドさせます。この方法は、ちょうど良い位置で止まれば良いのですが、行き過ぎたり足りなかったりします。
また、ワークを少しだけ動かしたい時には不向きです。傾斜ステージの上にフロントロックステージを装着しました。これにより、少しずつ動かすことができるためより検査しやすくなりました。

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